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コントラバスを4年、いまはチェロをやっていて分かってきた、「出したい音」を出すための思考法を紹介します。

前回のピアノと大枠は一緒ですが、楽器の構造をよく分かっているのは弦楽器の方かも。やや細かめです。


前回:
ピアノで「出したい音」を出すための思考法。



こんな風に考えます。



- 出したい音 -

実際に耳にする or 先生の「豊かな響き、軽やかな音の粒」などの感覚的な言葉から音を想像する

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その音を出すためには、「弦をどう動かせばいいか」を知識と経験を総動員して考える

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弦をそう動かすためには、「弓をどう動かせばいいか」を考える
…加える圧力、弦のどの辺りを擦るか、動かす速さ、角度
  

弓をそう動かすためには、「体のどこをどう動かせばいいか」を考える
…指、手のひら、手首、前腕、肘、上腕、肩、腰から上、重心。 

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どうしても出したい音が出ないときは、大きく音色を変えるため、弦、松ヤニの変更も考える。 



だいたいこの順にさかのぼって考えて、表現をしていました。




楽器のパーツごとに見ると。

弦楽器が鳴るためには、体を動かすエネルギーを、たくさんのパーツを通して空気の振動に変えなくてはなりません。

バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスなどの擦弦楽器は、構造上、こんな風に振動が伝わっていきます。



- 弦楽器から音が出るまで -

体全体の動き
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上半身全体の動き
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腕全体の動き
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腕の細部の動き
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弓の木
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弓の毛
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表板
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魂柱
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裏板
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楽器内部の空気の振動(音)
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楽器内部で反響・増幅し、f字孔から外に出て、外の空気が振動する(音)



ギターなどの撥弦楽器には、魂柱がないので、そこが省かれます。他は同じ。

「最終的には裏板を振動させている」という意識を持っていると、手元や弦ばかり見て弾いているときより広い視野で響きを探ることができます。

ちなみに、よく響いた音の時は、弦の振動が効率よく裏板に伝わっているため、実は弦の見た目の横振幅は少ないです。遠くに飛ぶ音を出せているとき、弦は一見ほとんど動いていないように見える。面白くないですか?



余談ですが、音が出る過程で木、毛、松ヤニ、金属を振動が伝わっていくので、奏法以外にも、これらの材質がうむ固有の周波数、倍音が音色を左右します。

なので、出したい音が出ないとき、奏法を探るのではなく、「弦や松ヤニを変える」というアプローチの方がうまくいくときもあります。



実際どんな風に弾くとどんな音が出るのかが気になる方は、こちらの記事もどうぞ。
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